企業の財務データを扱う場面では、「この年月はどの会計年度に属するのか?」「どの四半期に該当するのか?」といった判定が必要になることがあります。特に日本では、4月始まり・翌年3月終わりの会計年度が一般的です。
この記事では、Pythonを使って年月(例:202504)から会計年度と四半期を自動で判定する関数を紹介します。データ分析やレポート作成の前処理に役立つ内容です。
会計年度を求める関数 get_fiscal_year
この関数は、年月(YYYYMM形式)を受け取り、4月以降ならその年を、1〜3月なら前年を会計年度として返します。
import pandas as pd
def get_fiscal_year(year_month):
ym = pd.to_datetime(year_month, format='%Y%m')
return str(ym.year if ym.month >= 4 else ym.year - 1)使用例:
get_fiscal_year("202503") # → '2024'
get_fiscal_year("202504") # → '2025'四半期を求める関数 get_quarter
この関数は、3月決算ベースで四半期(1Q〜4Q)を判定します。to_period('Q') で四半期に変換し、asfreq('Q-MAR') で3月決算に合わせた調整を行います。
def get_quarter(year_month):
ym = pd.to_datetime(year_month, format='%Y%m')
quarter = ym.to_period('Q').asfreq('Q-MAR').strftime('%qQ')
return quarter使用例:
get_quarter("202504") # → '1Q'
get_quarter("202510") # → '3Q'
get_quarter("202601") # → '4Q'実務での活用シーン
これらの関数は、以下のような場面で活用できます。
- 財務データの年度・四半期ごとの分類
- StreamlitやDashなどの可視化アプリでの前処理
- ExcelやCSVデータの自動整理
- 決算期ベースのレポート作成や分析
まとめ
年月から会計年度や四半期を自動判定する処理は、財務データの整理やレポート作成において非常に重要です。特に日本のように3月決算が一般的な環境では、ExcelやCSVなどのデータを扱う際に、正確な年度・四半期の分類が欠かせません。
今回紹介したPythonの関数を活用すれば、こうした判定を簡単かつ正確に自動化できます。これにより、会計業務の効率化や人的ミスの防止につながり、より信頼性の高い財務分析が可能になります。
日々の経理処理から、月次・四半期・年度レポートの作成まで、幅広い場面で役立つテクニックです。ぜひ実務に取り入れてみてください。

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