はじめに
MotionBoardで帳票を出力し、特定のグループだけに共有したい── そんなシンプルな要件でも、アクセス権限の優先順位設定によっては、思わぬ落とし穴にハマることがあります。
今回は、「禁止優先」設定のままでは実現できなかった実例と、そこから見えてきた設計と運用のポイントをまとめます。
📁 想定したフォルダ権限設定
帳票出力先のフォルダに、以下のようなアクセス権限を設定しました:
| 対象 | 権限 |
|---|---|
| 管理者 | 読み書き |
| グループA | 読み取り |
| everyone | アクセス禁止 |
この設定により、「グループAのメンバーだけが帳票フォルダを閲覧できる」ことを想定していました。
❗ところが…グループAのユーザーでも見えない!?
実際に確認すると、グループAに所属しているはずのユーザーでもフォルダが見えないという現象が発生。 調査の結果、そのユーザーはグループAのほかに複数の業務グループに所属しており、さらにフォルダには everyone に対して「アクセス禁止」が設定されていました。
つまり、ユーザーが everyone にも含まれている(=全ユーザーが対象)ため、「禁止優先」のルールによりアクセスがブロックされていたのです。 たとえグループAで「読み取り」が許可されていても、everyone の「禁止」が優先されてしまう──これが禁止優先の落とし穴でした。
公式サイトにも以下のように記載されていました。
🔍 MotionBoardの「禁止優先」とは?
MotionBoardでは、アクセス権限の評価において「禁止優先」と「許可優先」のどちらかを選択できます。 初期設定は「禁止優先」で、これは以下のような動作になります:
ユーザーが所属するいずれかのグループで「アクセス禁止」が設定されていれば、他のグループで「許可」されていてもアクセスできない。
この仕様により、セキュリティは強化されますが、柔軟なアクセス制御が難しくなるという側面があります。
✅ 解決策:「許可優先」への切り替え
今回の要件は「グループAに所属していれば見えるようにしたい」というものでした。 そのため、MotionBoardの設定で「許可優先」に切り替えることで、意図した動作を実現できました。
設定手順:
- 管理画面で「システム設定」→「セキュリティ」→「権限の優先順位」を開く
- 「許可優先」に変更して保存
- MotionBoardサービスを再起動
✅ 解決策:「許可優先」への切り替え
今回の要件は「グループAに所属していれば見えるようにしたい」というものでした。 そのため、MotionBoardの設定で「許可優先」に切り替えることで、意図した動作を実現できました。
設定手順:
- 管理画面で「システム設定」→「セキュリティ」→「権限の優先順位」を開く
- 「許可優先」に変更して保存
- MotionBoardサービスを再起動

🔄 MotionBoardサービスの再起動方法(Windows環境)
今回の設定変更はMotionBoardのアプリケーション設定に関するものであり、Dr.Sum本体には影響しません。 そのため、再起動が必要なのはMotionBoardのサービスのみです。
net stop "MotionBoard 6.1 Service"
net start "MotionBoard 6.1 Service"または、services.mscから「MotionBoard 6.1 Service」を右クリックして「再起動」でもOK!
💡 注意: 「Dr.Sum Server」や「Dr.Sum MotionBoard Gateway」など、Dr.Sum関連のサービスは停止しないように注意してください。
🤔 「禁止優先」のままで実現する方法はある?
セキュリティポリシー上、「禁止優先を維持したい」というケースもあるかもしれません。 その場合、以下のような運用が必要になります:
🛠️ 対応案:専用グループを使った制御
- アクセスを許可したいユーザーだけを集めた専用グループを作成
- そのグループにのみ「読み取り」権限を付与
- 他のすべてのグループに「アクセス禁止」を設定
⚠️ ただし、ここに限界が…
- ユーザーが他の禁止グループにも所属していると、禁止が優先されてアクセスできない
everyoneに「アクセス禁止」を設定している場合、すべてのユーザーが対象となるため、許可が効かない- 不特定多数のユーザーが複数のグループに所属している環境では、禁止設定の管理が非常に煩雑になる
🎯 結論:禁止優先は「セキュリティ重視」、でも柔軟性は低い
| 比較項目 | 禁止優先 | 許可優先 |
|---|---|---|
| セキュリティ | ◎(見せたくない人を確実にブロック) | △(許可があれば見えてしまう) |
| 柔軟性 | △(複数グループ所属に弱い) | ◎(柔軟なアクセス制御が可能) |
| 運用負荷 | 高い(禁止設定の管理が大変) | 低い(許可グループだけで制御可能) |
💡 おすすめの設計方針
- 「一部の人にだけ見せたい」なら、許可優先が現実的!
- 「絶対に見せたくない人がいる」なら、禁止優先+厳密なグループ設計が必要!
✍️ おわりに
MotionBoardの権限設定は柔軟ですが、優先順位の設定によって挙動が大きく変わるため、 要件に応じた設計と運用ルールの明確化がとても大切です。
「禁止優先」は強力な仕組みですが、万能ではないことを理解しておくと、トラブルを未然に防げます!


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