~インポートタスクの設定とファイル処理の仕組みを完全解説~
はじめに
日々の業務で発生するTXT形式のデータファイル。これを手動でDr.Sumに取り込むのは手間がかかりますよね。 Dr.Sum Ver.5.5には「インポートタスク」機能が搭載されており、仮想テーブル(VTB)を使えばTXTファイルも自動で取り込むことができます。
この記事では、インポートタスクの設定方法から、ファイル監視の仕組み、「更新を監視する」オプションの挙動、インポート後のファイル処理、そしてバックアップ運用までをわかりやすく解説します。
✅ インポートタスクとは?
Dr.Sumのインポートタスクは、外部ファイル(CSV/TXT/Excelなど)を指定したテーブルに取り込むための機能です。Ver.5.5では以下のような設定が可能です:
- インポート対象のテーブル指定
- 仮想テーブル(VTB)の利用
- ファイル監視型の自動実行(フォルダにファイルが置かれると即実行)
🧾 仮想テーブル(VTB)の役割
仮想テーブル(VTB)は、TXTファイルの構造をDr.Sumに認識させるための定義ファイルです。インポートタスクで外部ファイルを取り込む際には、必ずVTBが必要です。
✅ VTBで定義する内容
- 区切り文字(カンマ、タブなど)
- 文字コード(Shift-JIS、UTF-8など)
- 項目名とデータ型
- ファイルパスやファイル名のパターン
❌ VTBがない場合の挙動
- インポートタスクを実行しても、ファイルの構造が認識できずエラーになります
- Dr.Sumはファイルの中身を直接解析できないため、VTBがないとインポート処理が成立しません
🛠 インポートタスクの設定手順(Ver.5.5)

- VTB CreatorまたはEnterprise Managerで仮想テーブルを作成
- Enterprise Managerでインポートタスクを新規作成
- 対象テーブルと仮想テーブルを指定
- ファイルパスを設定(監視フォルダも可)
- インポートモード(ADD/REPLACE/UPDATE)を選択
- ファイル監視型で自動実行を設定
- 「更新を監視する」のチェック有無で動作が変わる
🔍 「更新を監視する」の挙動と違い
| チェック状態 | 動作 | ファイルの扱い |
|---|---|---|
| ✅ チェックあり | ファイルの更新(タイムスタンプやサイズ変化)を検知してインポート | ファイルはそのまま残る(削除も移動もされない) |
| ❌ チェックなし | ファイルが存在すれば毎回インポート | ファイルは削除されるが、移動先フォルダーが設定されていればバックアップとして移動される |
📂 インポート後のファイル処理の仕様
✅ 正常終了時の動作
| 設定 | 処理内容 |
|---|---|
| 「更新を監視する」✅ + 移動先なし | ファイルはそのまま残る |
| 「更新を監視する」❌ + 移動先なし | ファイルは削除される(バックアップなし) |
| 「更新を監視する」❌ + 移動先あり | ファイルは削除され、タイムスタンプ付きで移動先に保存される |
🕒 移動後のファイル名の例
在庫表.txt → 在庫表_20251015234530.txt→ これは「2025年10月15日 23時45分30秒」にインポートされたことを示しています。
❌ エラー時の移動先フォルダー
- Ver.5.5ではエラー時の移動先フォルダーは設定できません
- インポートに失敗したファイルはそのまま監視フォルダーに残ります
✨ バックアップだけ残したい場合のおすすめ設定
「ファイルは監視フォルダーから削除したいが、バックアップは残したい」という場合は、以下の設定がベストです:
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| 更新を監視する | ❌ チェックしない |
| 移動先フォルダー | ✅ 設定する(例:E:\import\CSV\old) |
→ この組み合わせにより、ファイルはインポート後に削除され、バックアップはタイムスタンプ付きで保存されます。
🎯 まとめ
| 機能 | Dr.Sum 5.5での対応 |
|---|---|
| インポートタスク | ✅ Enterprise Managerで作成可能 |
| ファイル監視型 | ✅ フォルダ監視で自動実行 |
| 更新監視 | ✅ ファイル属性の変化で判定可能 |
| インポート後の削除 | ✅ 「更新を監視する」チェックなしで削除される |
| インポート後の移動 | ✅ 移動先フォルダーにタイムスタンプ付きで保存 |
| エラー時の移動 | ❌ 非対応(Ver.5.6以降で追加) |
| VTBなしでの実行 | ❌ エラーになる(必須定義) |

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